ASP活用ガイド / 新築・入居前

新築の電気代・電力消費量の目安|47都道府県・断熱・設備別ツールとASP入力ガイド

新築電力目安ナビを使う

データ v1.0.0 / 根拠確認日 2026年9月25日 / 公的統計 2023年度

この記事の目次目的から選ぶ:6つの参照ツール新築提案で迷いにくい使い方登録不要で使い、根拠まで持ち帰れるデータセットEVと追加機器の計算で確認することよくある疑問と入力の判断基準まず何を選べばよいですか?ASPには、kWhと円のどちらを入力するのがおすすめですか?具体的に、どのくらいの数値が出ますか?12か月の入力例を見たいです「新築条件モデル」と「公的統計の相場」は何が違いますか?平均値だけだと、相場より高く見えることはありませんか?47都道府県それぞれの実測データですか?断熱等級が上がると、電気代全体が同じ割合で下がりますか?オール電化は「ガス併用の1.5倍」でよいですか?ハイブリッド給湯器やエコジョーズも考慮できますか?エネファームの場合は、何を入力しますか?太陽光・蓄電池を導入する予定なら、先に使用量から差し引きますか?床面積、EV、乾燥機、在宅勤務も調整できますか?電気代の31円/kWhは、何を根拠にしていますか?このデータセットの根拠と限界を教えてください試算の説明時には、何を記録しておけばよいですか?出典・関連ヘルプこの目安を使った後は、ASPで導入効果を比較更新時に確認する項目

新築で電気の検針票がなくても、住まいの条件から月平均・12か月分の電力消費量の目安を作れます。 このページでは、エネがえるASPで太陽光・蓄電池を提案する前に使える参照ツール、統計、データセット、入力時の考え方をまとめています。

新築電力目安ナビを使う

住宅会社・販売施工店の提案担当者にも、新築を計画中の方にも使っていただけます。個人情報の入力や登録は不要です。まずは条件を変えて、月平均kWhと12か月の推移を確認してください。

このツールは、公的統計と公開計算法をもとにした計画用の目安です。月々の請求額や個別住宅の入居後実績を予測・保証するものではありません。 太陽光・蓄電池を導入したときの経済効果は、ここで作った需要をASPへ入力し、実際の料金プラン・設備条件を指定して確認します。

データセット:v1.0.0/根拠確認日:2026年9月25日/公的統計の対象:令和5年度(2023年度)。特定年度の料金や補助金に依存しない使い方をまとめ、根拠の年度と単価の前提は分けて管理しています。

目的から選ぶ:6つの参照ツール

今したいこと使うツール得られるもの
検針票がない新築の初期値を作る新築の目安都道府県・人数・断熱・給湯条件に対応した月平均と12か月のkWh
給湯設備や断熱条件でどれだけ変わるか見る条件比較7種類の給湯・調理の横並び、等級4〜7条件の比較、最大3条件の保存
モデルが実際の相場とどれくらい違うか確認する公的統計の相場公表表965行、建て方・人数等の平均、標本数、中央値が属する階級
EVや追加機器を需要へ足す追加負荷充電電力・追加機器の概算と月別負荷への反映
月平均と年間、kWhと円の関係を確認する単位・料金換算入力単価を使った簡易換算
提案の根拠を保存・説明するデータ・資料Excel、CSV、統計JSON、係数、出典、再現資料

最初からすべてを使う必要はありません。新築条件がある程度決まっている場合は「新築の目安」、まだ条件が少ない場合は「公的統計の相場」から始めます。実測値がある案件では、原則として実測値の対象期間と設備条件を確認したうえで優先してください。

新築提案で迷いにくい使い方

  1. 都道府県、建て方、人数、断熱等級、給湯・調理設備を選びます。東京都・4人などの初期値は説明用の例です。
  2. 未定の設備は「条件比較」で候補を比べます。電気代だけでガス併用設備の総費用を判断しないでください。
  3. EV等の追加分があれば「追加負荷」へ入力します。標準モデルに含まれる家電や、別のEV試算へ入力した分を重ねて足さないようにします。
  4. 「12か月のkWhをコピー」を押し、ASP画面で対応する月へ転記します。月平均だけで開始することもできます。
  5. 「条件メモ付きでコピー」から、条件・月別値・出典・版を案件記録へ保存します。

CSVはデータ保存用です。ASP専用の一括取込や、12か月を一操作で貼り付ける機能として動作確認したファイルではありません。画面の月順と単位を必ず確認してください。

「条件リンクをコピー」では、選択条件を再現するURLを作れます。URLに条件を含むため、共有前に内容を確認してください。比較に保存した最大3条件は、その画面を開いている間だけ保持します。案件記録として残す場合は、条件メモかCSVを別に保存してください。

登録不要で使い、根拠まで持ち帰れるデータセット

基本カタログは 47都道府県 × 2建て方 × 6人数 × 4断熱等級条件 × 9設備=20,304条件 です。このうち、そのまま買電量を出力できるのは15,708条件です。残りにはエネファームの発電自家消費入力待ちと、8地域・等級7の対象外条件が含まれます。条件数を精度や実測標本数と読み替えることはできません。

Excel版をダウンロードすると、手元で条件を変えて保存できます。Googleスプレッドシートで使う場合は、ダウンロードしたExcelを自分のGoogleドライブへアップロードし、Googleスプレッドシートとして開いてください。既に共有されたGoogleスプレッドシート版を使う場合も、各案件の条件を保存するには自分のドライブにコピーして利用します。

一括加工には全条件CSV、再確認には出典・計算資料一式を利用できます。資料一式内のFAQはv1.0作成時の原稿です。Webでの操作は本ページを参照してください。

EVと追加機器の計算で確認すること

EVの追加電力は「月間走行距離 ÷ 走行電費 ÷ 充電効率」で計算します。たとえば800km/月、6km/kWh、充電効率90%という入力例なら約148.1kWh/月です。これは車種の標準値や市場平均を表すものではありません。車種・運転・季節・充電場所に合わせて入力してください。電費に充電損失が含まれる資料を使う場合は、効率100%として二重補正を避けます。

機器の追加電力は「平均消費電力W × 1日の使用時間h × 使用日数 ÷ 1,000」で計算します。1,000W・1時間・20日なら20kWh/月です。定格電力と平均消費電力は同じとは限りません。乾燥機等を追加する場合は、既定モデルの家電分にすでに含まれていないか確認してください。

追加ボタンは押すたびに加算します。季節差のある設備は、加算後に「新築の目安」の月別表で調整してください。月別値を一括で貼り付ける欄は、現在の追加負荷を入力した12個の値で置き換えます。

よくある疑問と入力の判断基準

以降では、kWhと円の選び方、代表値、断熱や給湯設備の扱い、エネファーム、太陽光の二重控除防止、出典と限界を詳しく説明します。Web版とExcel・スプレッドシート版は、同じv1.0.0のモデル係数に基づきます。

まず何を選べばよいですか?

Excel・スプレッドシートの「かんたん入力」とWeb版の「新築の目安」には、説明用の初期例として「東京都・戸建住宅・4人・断熱等級5条件・エコキュート+IH」を設定しています。自動的にご自宅の条件を推定したものではありません。最初に、ご計画の条件へ変更してください。

  1. 都道府県を選びます。代表地点の気候区分を自動で設定します。
  2. 戸建住宅か共同住宅か、入居する人数を選びます。
  3. 断熱等級の条件を選びます。設計書の等級が分かる場合はそれに合わせます。
  4. 給湯と調理の組み合わせを選びます。オール電化かどうかだけでなく、給湯器の種類を確認してください。
  5. Excel・スプレッドシートでは基準選択を「新築条件モデル」にして、月別kWhを確認します。

人数・給湯設備・面積の違いで結果が変わります。断熱仕様が未定の場合は、等級4を比較の基準として、等級5・6へ切り替えた場合も確認してください。給湯設備が未定の場合は「ガス給湯+ガス調理」と「エコキュート+IH」の2ケースを比較すると、電力使用量への影響を把握しやすくなります。

生活習慣の情報がなければ「標準」から始めます。「少なめ」「多め」は、使用量に関する仮定を変えるための選択肢です。統計上の下位・上位何%、あるいは予測の的中確率を表すものではありません。

ASPには、kWhと円のどちらを入力するのがおすすめですか?

このデータセットを使う場合は、kWhでの入力をおすすめします。 電気代の概算は、目安単価から計算しているためです。

ASPでは月平均の電力消費量、または複数月の消費量を入力できます。月別に設定する場合は、電力消費量の詳細設定で、データセットの「ASP転記 kWh」の各月を対応する月へ入力してください。画面上の月順を確認して転記します。表のCSVはデータ保存用であり、ASP専用の一括取込ファイルとして動作を確認したものではありません。[R11・R12]

すぐに概算したい場合は、月平均kWhから始められます。冬夏の差も反映したい場合は、12か月のkWhを入力してください。12か月の値がすでにあるので、季節変動をもう一度手作業で加算する必要はありません。

ASPは電気代から電力消費量を逆算することもできますが、その結果は選択した料金プラン等の条件に影響されます。たとえば、この表で「31円/kWh」で作った金額を、別の単価体系のプランで逆算すると、元のkWhと同じになるとは限りません。電気代入力を利用する場合も、逆算後のkWhを確認してください。[R13]

具体的に、どのくらいの数値が出ますか?

次の表は、戸建住宅120.08m²・4人・断熱等級5条件・居室エアコン・標準生活という共通条件でのモデル試算例です。都道府県別の実測平均ではありません。電気代は31円/kWh、固定加算0円で換算しています。

都道府県の初期設定計算気候区分給湯・調理年間kWh月平均kWh月平均概算円
北海道2ガス給湯+ガス調理5,969497.415,420
北海道2エコキュート+IH8,766730.522,646
北海道2ハイブリッド+ガス調理7,017584.818,127
東京都6ガス給湯+ガス調理4,513376.111,659
東京都6エコキュート+IH6,394532.816,518
東京都6ハイブリッド+ガス調理5,233436.113,519
沖縄県8ガス給湯+ガス調理4,420368.311,418
沖縄県8エコキュート+IH5,628469.014,539
沖縄県8ハイブリッド+ガス調理4,873406.112,589

ここに示した金額は電気代だけです。ガス給湯やハイブリッド給湯では、別途ガスを使用します。したがって、この表の電気代だけを比べて「どの設備が最も安い」と結論付けることはできません。給湯器の初期費用、ガス代、保守費用、更新費用などを含む総費用は、別の比較が必要です。

東京都の初期気候区分、戸建120.08m²、断熱等級5条件で、人数だけを変えた例は次のとおりです。

人数ガス給湯+ガス調理:月平均kWhエコキュート+IH:月平均kWh
1人274.6346.8
2人307.3413.1
3人357.2498.6
4人376.1532.8
5人・参考拡張397.7588.1
6人・参考拡張454.8648.4

5・6人は、4人までの公開計算を、環境省の人数別・用途別エネルギー平均の比率で拡張した参考値です。1〜4人と同じ確からしさでは扱わず、給湯量や家電保有状況を追加で確認してください。6人の拡張比率には「6人以上」の統計を用いています。

12か月の入力例を見たいです

初期例である「東京都・戸建120.08m²・4人・断熱等級5条件・エコキュート+IH・標準生活」の月別値です。太陽光発電・蓄電池の導入前を想定し、EV等の追加負荷は含めていません。

月ASPに入力する電力消費量電気代の概算
1月757 kWh23,467円
2月694 kWh21,514円
3月671 kWh20,801円
4月424 kWh13,144円
5月372 kWh11,532円
6月414 kWh12,834円
7月566 kWh17,546円
8月580 kWh17,980円
9月428 kWh13,268円
10月365 kWh11,315円
11月462 kWh14,322円
12月661 kWh20,491円
年間6,394 kWh198,214円
月平均532.8 kWh16,518円

月ごとのkWhを整数に丸め、その12か月分を合計して年値を作っています。月平均は年合計÷12です。表示した月平均の小数値を12倍すると、表示丸めによる差が出る場合があります。

この月別の形は、公開計算で使用する標準年・標準的な生活スケジュールに基づくものです。将来の猛暑・暖冬、在宅状況、家族構成の変化まで予測しているわけではありません。

「新築条件モデル」と「公的統計の相場」は何が違いますか?

新築条件モデルは、設定した住戸・断熱・設備・人数の条件から作った目安です。公的統計の相場は、調査対象になった世帯の実績を集計した値です。どちらも役立ちますが、意味が異なります。

「基準選択」では、次の3種類の公的統計も呼び出せます。

統計モードを選んだ場合は、断熱等級、給湯・調理設備、気候区分の上書き、面積、生活感度、暖房条件を使って統計値を補正しません。元の統計にない「県×人数×断熱×給湯」の実測値を作ったように見せないためです。選択中の状態は画面に表示されます。

なお、2021年以降築の集計には、建築年、設備、世帯人数などが異なる住宅が含まれます。「これから建つ住宅」と完全に一致する集計ではありません。太陽光発電を導入した世帯なども混在し、購入電力の相場と、発電前の総電力需要は一致しない場合があります。

たとえば令和5年度の公表表をkWhへ換算すると、全国・戸建・4人世帯の月平均は約520kWhで、電気代の実績月平均は約14,442円、標本数は833世帯です。この過年度の支払額を、現在の契約で必ず発生する料金と考えないでください。[R05・R06・R07]

平均値だけだと、相場より高く見えることはありませんか?

平均値は使用量が多い世帯の影響を受けます。そのため「相場の選択」「公的統計」には、平均だけでなく、標本数、中央値が属する階級、世帯数が最も多い階級を載せています。

元の統計が階級別の割合までしか公表していない場合、正確な中央値を1kWh単位で確定することはできません。このデータセットでは、中央値を架空の一点の数値に置き換えず、「この範囲に属する」と表示します。

標本数の小さい集計は慎重に扱ってください。原表でQ・xなどの記号によって非公表になっている値は、ゼロにせず空欄として保持しています。データがないことと、消費量がゼロであることは異なります。

47都道府県それぞれの実測データですか?

いいえ。47都道府県から選べる構造ですが、モデルの計算気候は公開計算の8区分です。各都道府県に代表地点を設定し、その中心部の気候区分を初期値として使います。同じ気候区分・同じ住戸条件であれば、県名が異なってもモデル値は同じになります。

また、「地域」シートには47地点の月平均気温平年値を収録しています。出典は気象庁の1991〜2020年平年値です。この気温値は地域の違いを確認する参考情報で、県全域の平均ではありません。今回は、この47地点の気温で住宅の時間別熱負荷を再計算しているわけではありません。[R08・R09]

同一県内でも山間部、沿岸部、離島、旧市町村の区域によって気候区分が異なることがあります。計画地の区分が分かったら「気候区分上書き」を変更してください。住所の確認には、住宅会社や設計担当者の確認結果を優先します。

断熱等級が上がると、電気代全体が同じ割合で下がりますか?

そのようには計算していません。断熱性能が直接影響する主な用途は暖冷房です。家電、IH調理、給湯までまとめて同じ率で削減する方法は採用していません。

このモデルでは、等級ごとのUA値の条件を設定し、暖冷房を計算しています。日射取得などの条件を固定しているため、断熱を強めた際に冷房消費が増えるケースもあります。暖房・冷房・給湯・家電を分けて見ることで、なぜ結果が変わったかを確認できます。[R01・R02]

断熱等級、一次エネルギー消費量の削減率、BEI、ZEHの各要件を、家庭の電気使用量そのものの削減率として読み替えないでください。等級5の条件を選んだだけで、住宅全体がZEHの要件を満たすことを証明するわけではありません。

8地域の等級7は、このデータセットでは対象外として買電量の出力を止めます。また、8地域の共同住宅には公開仕様値を置いており、等級を切り替えても計算値が変わらない条件があります。実際の適合判定は設計図書による確認が必要です。

オール電化は「ガス併用の1.5倍」でよいですか?

一律の倍率にはしていません。住宅の基礎的な電力使用に、給湯設備とIHの電力を組み合わせています。同じオール電化でも、エコキュートと電熱式の電気温水器では電力使用量が異なるため、選択肢を分けています。

給湯の計算は、公開計算法の追焚、高断熱浴槽、節湯シャワー等の条件を指定しています。エコキュートの効率パラメータe_rtdは3.3という条件例です。実際の使用時のCOPが年間を通じて3.3で固定されるという意味ではなく、機種の市場平均と断定する数値でもありません。

IH調理は、環境省の用途別推計に使用される人数別年間値を採用しています。1人50kWh、2人172kWh、3人227kWh、4人278kWh、5人以上341kWhです。同資料の月別配分を正規化して12か月へ割り付けています。調理頻度や外食割合によって変わるため、個別世帯の実測値としては扱いません。[R04]

ハイブリッド給湯器やエコジョーズも考慮できますか?

ハイブリッド給湯器は「ハイブリッド+ガス調理」「ハイブリッド+IH」を用意しています。公開計算の仕様区分2を指定した条件例であり、すべてのメーカー・機種を代表する平均ではありません。

ガス給湯器は、給湯のために使う電気補機を電力需要へ含めています。都市ガスとLPガスでは、電気補機の条件を共通としています。エコジョーズ等によるガス使用量の削減を、そのまま電気使用量の削減には置き換えません。ガス側の費用評価は別途必要です。

この表が外部で電力需要の目安を作れることと、ASPがハイブリッド給湯器やエネファームの機器性能・運転制御を直接評価できることは別です。ASPの公開FAQに記載される対応範囲を確認し、機器固有の評価が必要な場合は、メーカー試算や個別の確認を併用してください。[R14]

エネファームの場合は、何を入力しますか?

エネファームは家庭内で発電するため、家庭が使う総電力量と、電力会社から購入する電力量を分ける必要があります。

このデータセットでは、エネファームを選ぶと、まず需要側の概算を作ります。ただし、発電量を「どの家庭でも一律○kWh」とは仮定しません。給湯量、発電方式、機種、運転制御によって変わるためです。

メーカーの試算などから、各月の発電自家消費量を確認し、スプレッドシートのG列、またはWeb版の月別表「発電自家消費」へ12か月分を入力してください。発電量全量ではなく、その住宅で実際に使われる分です。給湯器・貯湯ユニット等の電気補機について、仮置きしたガス給湯補機との差がある場合は、スプレッドシートのF列またはWeb版の追加kWhなどで条件を調整します。

買電量の考え方は「補正前の電力需要+追加負荷−発電自家消費量」です。自家消費量が未入力の間は買電量の出力を止めます。自家消費量が家庭の需要を超えた場合も、入力の確認を求めます。空欄は計算上のゼロではありません。

太陽光とエネファームを同時に運用する場合は、自家消費の割り当てや制御の影響があります。この月間差引きだけで、時間別の同時運用を完全に評価できるとは考えないでください。

太陽光・蓄電池を導入する予定なら、先に使用量から差し引きますか?

通常の新築検討では、まず太陽光・蓄電池の導入前の需要を作り、ASPで導入後を試算します。この表で太陽光の想定自家消費量を先に差し引くと、ASP側の評価と重複するおそれがあります。

すでに太陽光がある住宅の検針票は、発電によって購入量が減った後の数値です。これを発電前の家庭全体の需要としてそのまま扱うことはできません。総需要、買電、自家消費、売電を確認してから設定してください。

エコキュートを導入済みの需要データを使う場合も、ガスからオール電化への切替分を重ねて加算しないようにします。ASPの基本条件・設備条件と、この表で選んだ給湯設備をそろえてください。[R11]

床面積、EV、乾燥機、在宅勤務も調整できますか?

床面積は「標準」のままであれば、戸建120.08m²、共同住宅70m²を使います。数値を入力すると、暖冷房・照明・換気の電力を、標準面積に対する比率で補正します。家電・給湯・IHに同じ面積倍率はかけません。

この面積補正は、住宅の形状や窓を再設計して計算する方法ではなく、簡易な感度調整です。標準面積から大きく離れる住宅、吹き抜けの大きい住宅、最上階や角住戸などでは、設計条件に即した試算を優先してください。

EV充電、衣類乾燥機の増設、特殊な在宅機器など、標準モデルにない追加分はスプレッドシートのF列、またはWeb版の月別表へ追加kWhを入力できます。すでにモデルや別の計算に含まれている使用分は二重に加算しません。EVを別の画面・製品で評価する場合は、どちらに含めたかを明確にしてください。

暖房をガス・灯油等にする場合は「燃焼暖房(補機別)」を選べます。この選択では、モデルのエアコン暖房電力を除きます。ポンプや送風機の補機電力は別に加える必要があり、燃料代はこの表に含みません。床暖房や全館連続暖房を再現する機能ではありません。

電気代の31円/kWhは、何を根拠にしていますか?

全国家庭電気製品公正取引協議会が公表する、税込の電力料金目安単価です。公表ページでは2022年7月22日改定の31円/kWhと案内されています。[R10]

この単価は家電等の電気代を概算するための目安で、都道府県別・小売事業者別・契約プラン別の最新料金ではありません。電力会社の段階料金、時間帯料金、基本料金、燃料費調整、再エネ賦課金、政府・自治体の支援等を個別に再現するものでもありません。

単価は変更できます。計算式は「月間kWh×入力単価+月額固定加算」です。基本料金相当分を含む実効単価を使う場合は、固定加算を0円にして二重計上を避けてください。正式な料金比較は、ASPで実際の電力会社・料金プランを選び、算定条件を確認して行います。

このデータセットの根拠と限界を教えてください

モデルの中心には、建築研究所が案内する住宅エネルギー計算法の公開実装pyheesを用いています。一次エネルギーの値を単純にkWhへ読み替えるのではなく、暖房、冷房、照明、換気、家電、給湯について、二次電力の時間値を月ごとに集計しています。[R01・R16]

一方で、計画用の使いやすさのため、住戸形状、日射条件、エアコン、LED照明、換気量、給湯の使い方等に共通条件を置いています。人数別の組み合わせ、5・6人への拡張、IHの追加、面積補正は、本データセットで明示した方法による加工です。国の評価プログラムをそのまま実行した認証値や、公的機関によるお墨付きではありません。

気候区分1〜4を中心に、エアコンの能力によって処理できない暖房負荷が残る条件があります。その残りを電力消費量へ勝手に足してはいません。寒冷地の全館暖房や快適性をそろえた機器比較には、地域・機種・運転時間に合わせた追加の検討が必要です。

全館空調、24時間の全館暖房、床暖房、蓄熱暖房、熱交換換気、太陽熱給湯、融雪、井戸ポンプ、石油給湯、機種固有の昼間沸上げ・発電制御等は、標準カタログの数値だけでは十分に表現していません。該当する場合は実測値・設計値・メーカー試算を組み合わせてください。

数値の合計、料金式、参照先、適用外条件は確認していますが、個別の新築住宅について、入居後実績と照合した予測精度の検証はまだ行っていません。消費量が必ず±20%以内に収まる、あるいは日本で最も精度が高いといった主張はしません。

試算の説明時には、何を記録しておけばよいですか?

案件ごとに、都道府県と計画地の気候区分、人数、建て方、面積、断熱条件、給湯・調理・暖房設備、生活感度、追加負荷、電気代の単価、採用したデータセット版と試算日を残してください。エネファーム等の外部補正がある場合は、メーカー資料と自家消費量の算定条件も保存します。

お客様への説明例:

「現時点では入居後の実績がないため、住宅の広さ・人数・断熱・設備を指定したモデル値を初期条件にしています。電気代はこの需要をもとに契約プランで試算します。今後、設備が確定した際や検針データが得られた際に更新します。」

データセットでは根拠ID、統計の原表行、計算の条件、取得資料の照合情報を残しています。平均値だけを提示するよりも、どの条件を置き、どの部分が未確定かを説明しやすくすることを目的にしています。

出典・関連ヘルプ

この目安を使った後は、ASPで導入効果を比較

需要の条件が整ったら、ASPの新規診断マニュアルに沿って、電力会社・料金プラン、生活スタイル、太陽光、蓄電池、オール電化機器の条件を設定します。入力したkWhが総需要なのか買電なのか、既設設備を含むのかをそろえてください。

診断結果を説明資料へ展開する場合はASPのJSON出力活用ガイド、契約単価の確認には電気料金プラン単価照会FAQが役立ちます。住宅以外の自家消費やEV・V2Hを検討する場合は、用途別のサービス案内で対象を確認してください。

新築電力目安ナビで条件を選ぶ

更新時に確認する項目

統計の新しい確報、公開計算法、住宅性能の区分、ASPの入力仕様、料金の目安単価に変更があった場合に、該当する条件・出典・版を更新します。公的統計の年度とモデルの標準年は一致するとは限りません。将来の請求額を断定せず、単価は案件ごとに確認して入力します。